申請においてよくある質問をまとめさせていただきました。
退職後、申請書の記入などにおいての不明点で多くご質問をいただく内容となります。
また、申請後に不備になる方の共通点としては、マニュアルをほとんど確認していない人です。
マニュアルに記載のある内容のご質問に関しては、マニュアルに記載のある内容をそのまま回答となることがあります。まずはマニュアルをしっかり確認していただきご質問ください。
■会社記入
会社には、退職日以降に記入をしてもらいましょう。
離職票や源泉徴収票と同じタイミングで郵送してもらえるように依頼しておくと手間が少ないかと存じます。
在職期間中に依頼がしにくいなどがある場合は、退職日(又は最終出勤日以降)にメールなどで依頼しましょう。
■病院記入
病院での記入は、退職日から1ヶ月経過したタイミングで記入してもらうのがよいでしょう。
傷病手当金は、無給の期間に対して1日単位で支給されます。
そのため、退職日から1ヶ月経過してから記入してもらうことで1ヶ月分の傷病手当金が支給されます。
しかし、在職中に欠勤などで給与が支給されていない期間がある場合や、一部でも良いから早めに手当てが欲しい場合は退職後すぐに申請書の記入を依頼しても問題ございません。
早期での申請の例に関しては、3月31日退職(退職日まで有給休暇をすべて使用した)で、4月15日に申請書の記入をお医者様に依頼した場合は、4月1日~4月15日が無給となりますので、15日分の傷病手当金が申請できます。
◾️初回の記入依頼について
申請書の期間に関しては、申請書を2部用意して下記の2種類記入してもらえれば大丈夫です。
退職日の前の申請期間に関しては、その申請期間は初診日以降で待機期間が入っていて、退職日までの申請期間であれば問題ございません。
■記入してもらう期間
①初診日〜退職日
(”3日連続の休み”がこの期間に入っているようにして下さい。)
②退職日の翌日から退職日以降の通院日
※初診日が数ヶ月前の時は、退職日から1ヶ月前の日からで大丈夫ですが、”3日連続の休み”を取得した期間が入るようにして下さい。
※退職日以降の申請期間は、任意となっております。15日おき、1ヶ月おきや2ヶ月おきでも申請は可能です。しかし、通院のペースはお医者様の指示に従うようにして下さい。
※期間に関しては、未来の日付は記載できないため通院日までの期間を記入する事になります。
※会社側に依頼するのは、「・初診日〜退職日」の期間のみです。退職日の翌日以降は必要ありません。
※退職日の翌日以降は会社側に記入してもらう欄に関しては未記入で健康保険組合へ提出をします。
◾️2回目以降の申請期間についての詳細
申請書の期間に関しては、下記の期間で記入してもらえれば大丈夫です。
・申請済みの期間の翌日〜通院日までとなります。
※2回目以降の申請も同じく、未来の日付は記載できないため通院日までの期間を記入する事になります。
■例
3月31日退職の場合は、
①3月1日又は、初診日~3月31日まで
②4月1日~退職日以降の通院日まで
上記の①~②を1部ずつ記入を依頼してください。
■記入期間の見本
全国健康保険協会(協会けんぽ)の方で退職日が令和6年2月29日の記入例となります。
他の健康保険組合の場合でも記入する内容は基本同じ内容となります。
また、今回の例は初診日が、令和6年1月22日
2月は、有給休暇も使用して退職した場合となります。
申請書は2部ずつで
・2月1日~2月29日
・3月1日~3月31日までで作成しております。
※初診日が2月10日などだった場合は、2月分の申請書は2月10日~2月29日で作成します。
・2月1日~2月29日の申請書-見本
https://yamerukun.jwc-kaikaku.jp/wp-content/uploads/2024/10/mihon-20240201-20240229-1.pdf
・3月1日~3月31日の申請書-見本
https://yamerukun.jwc-kaikaku.jp/wp-content/uploads/2024/09/mihon-20240301-20240331-1.pdf
申請書を提出してから、健康保険組合などによって多少変わりますが約2週間~3週間後となります。
会社や病院の先生は、傷病手当金に対する知識が浅い方が多いです。
まず、傷病手当金は退職日以降も受け取れます。また、有給休暇の期間は給与が発生するのでその期間は受け取れません。
しかし、退職日以降も傷病手当金を受け取るには在職期間中に欠勤や有給休暇などの休みで申請要件満たしておく必要があります。
申請要件は、下記の2つなります。
・通院を行い、主治医より傷病手当金の申請の承諾を得ている。
・3日連続の休み(待期期間)の取得
更に、退職日以降も継続的に受け取るには、
・退職日を休む
を行う形となります。
また、ご質問内容のようなことを言われた場合は、下記の内容をお伝えしても構いません。
「傷病手当金は退職するときに傷病手当金を受けていた人には、その病気やけがの療養のために引き続き働けないとき、退職すると健康保険の資格を失い、組合の給付を受けられなくなりますが、退職前に継続して1年以上被保険者だった人は、退職後もそれまで受けていた傷病手当金が受けられます。
又は、退職するときに傷病手当金を申請するための要件を満たしていれば申請が可能です。
今回は、○○月○○日(通院日)に主治医より申請の承諾が得られておりまして○○月○○日〜○○月○○日(3日連続の休み=待期期間)の有給休暇(欠勤など)に療養をとり申請するための要件は満たしております。
有給休暇に対して、傷病手当金が支給されない事は把握しておりますが、退職後にも継続して申請するために在職中の申請が必要です。そのため傷病手当金の申請書の記入をお願いいたします。」
傷病手当金の申請書に会社が証明しないと言ってくる事はあります。
しかし、会社は申請者の求めがあれば記入を行う義務があります。
会社が記入をしないという理由はいくつか考えられます。
・会社が社会保険料をごまかしているケース
・会社が意地悪をしているケース
・会社が傷病手当金のことを知らないケースなど
まず大前提として、退職日以降の申請ですので、会社側に生じるマイナスなことは一切ありません。
また、有給休暇などで手当はもらえないんじゃないか?と言われるケースもありますが、全ての休みが有給休暇だとしても退職日以降も申請するには最低1回以上は在籍期間の申請が必要になります。
※有給休暇分の手当は給与が発生するため支給されませんが申請はできます。
会社が頑なに記載を拒否している場合、取れる対応策は主に下記3つです。
1.拒否した理由を確認する
→もしかすると、会社から支払いが発生したり、助成金申請などへの悪影響があると思いこんでいる場合があります。会社にデメリットは一切ないので、誤解を解くことですんなり対応してくれることも過去にございました。
このときのやり取りは、録音する・メール(文字)でやりとりするなど形に残すようにしましょう。
強く出られるのでしたら、「書かなければ労基に相談する」「その際は、電話口(メール担当)の○○さんが本件の責任者とお伝えするがよろしいか」と言ってもいいかもしれません。
ちなみに、労基は申請には直接関係しませんが、労基という単語は非常に効果的です。
2.健康保険組合に、証拠とともに拒否された事実を報告する
→組合によっては会社に連絡してくれます
→自身の状況を説明して、申請対象者であるかについても確認しておきましょう
3.弁護士に、記載を求める通知書類を出してもらう(有料)
→1・2の内容を盛り込むことで「申請対象者なのに、会社が拒否している」形となります。
健康保険法違反などを理由に記載を求めましょう。
となります。
たいていは1および2で解決します。
また、会社規模次第では、
1の前に本社や別のスタッフに相談・対応してもらうのも手段の1つです。
退職後に申請をしなければならないではなくて、退職後に申請をした方が負担が少なくなり良いという認識となります。
退職日を超えてから申請書の記入をしてもらうことで1回の申請で完了します。
理由に関しては、退職日までの期間は、必ず会社側の記入が必要になります。
例えば、退職日が7月31日の場合、
お医者様に記入してもらう日が7月25日だった場合、7月25日までしか申請ができません。
※未来の日つけの証明ができないため7月25日(記入日)までしか申請期間として指定できません。
そうなると会社側も7月25日までを記入することになります。
退職日までの期間を申請する際は、会社側に記入をしてもらう必要があるため、後日に、7月26日〜7月31日の記入をお願いしなければいけなくなります。
なるべく会社とのやり取りの回数を増やしたくない方、二度手間になることは嫌だという方が多いため、退職日以降に申請書の準備を開始するのがおすすめというお話となります。
また、傷病手当金の申請書の依頼は、最終出勤日や離職票発行を依頼するタイミングでお願いしておくとお話がスムーズに進むかと存じます。(退職日以降にメールなどで依頼することも可能です。)
退職後以降の期間を申請する際は、会社側の記入が不要のため、ここで会社に記入してもらう必要がある期間は1回に済ませることに越した事はありません。
退職前の期間を1回以上申請しなければいけないというのは、
傷病手当金を退職日以降も受け取るために必要があるからです。
その理由に関しては、まずは下記の1~3のルールを確認してください。
1. **傷病手当金の支給要件**:
傷病手当金は、被保険者が病気やケガで働けなくなった場合に支給されます。退職後も支給を受けるためには、退職前に既に支給が開始されている又は、‘‘退職前に支給要件を満たしている‘‘必要があります。これは、退職後に新たに申請しても被保険者資格がなくなっているためです。
2. **退職後の継続支給要件**:
退職前に傷病手当金を受けていた場合、退職後もその状態が継続していると判断されることで、引き続き支給を受けることができます。逆に、退職前に申請がない又は、退職前に支給要件を満たしていないと、退職後の支給が継続する根拠がなくなります。
3. **保険制度の一貫性**:
健康保険制度は、被保険者が在職中に発生した事由に基づく給付を行うことを前提としています。退職前に傷病手当金を申請していることにより、その傷病が在職中に発生し、在職中の保険料負担による給付であることが確認されます。
したがって、退職日以降も傷病手当金を受け取るためには、退職前に一度でも申請を行い、支給開始をしておくことが重要です。
また、この部分で分からなくなってしまうのは「在職中に申請しなければいけないのか?」と考えてしまう方が多くいますが、そのようなことはありません。
「1」の内容にある「‘‘退職前に支給要件を満たしている‘‘」の部分が該当しますが、
退職前に支給要件を満たしていれば良いので実際に申請を行うのは退職日を過ぎてからでも可能となっています。
可能ですが、注意事項があります。
病院変更時の注意事項について
退職日以降も手当をもらうには、証明できない日を1日でも作ってはいけないので気をつけてください。
また、同じ診断名である必要があるため、診断名の変更も無いようにしてください。
未来の日付の証明はできないため、証明可能な日の最終日がその病院での通院日となります。
例えば、A病院で10月1日〜10月20日まで証明可能。な場合のA病院での通院した日は10月1日から通院をしていて、10月20日も通院していたという意味となります。
その上で下記の内容を確認してください。
◾️NGパターン
A病院(変更前の病院)
10月1日〜10月20日まで証明可能。
↓
B病院(変更後の病院)
10月22日〜10月31日まで証明可能。
10月21日と証明できない日があるため申請ができなくなってしまいます。
◾️OKパターン
パターン①
A病院(変更前の病院)
10月1日〜10月21日まで証明可能。
↓
B病院(変更後の病院)
10月21日〜10月31日まで証明可能。
パターン②
A病院(変更前の病院)
10月1日〜10月25日まで証明可能。
↓
B病院(変更後の病院)
10月22日〜10月31日まで証明可能。
1日も途切れることなく証明可能なため、病院を変更しても申請ができます。
また、退職日以降の病院変更の際は、病名が変わってはいけませんので、現在通院している病院で診断されている病名を新しい病院で伝えるようにしてください。
社会保険の給付(傷病手当金)の受け取り期間はアルバイトなどの就労はNGとなります。不労収入(株やFX、ビットコイン投資など)であれば可能です。
雇用保険の給付(失業保険)の申請期間であれば週20時間以内であれば可能です。
また、失業保険の申請期間に関しては、1日4時間以上週20時間以内のアルバイトがベストと言えます。4時間以内のアルバイトは、失業保険の給付額が減額されてしまいますが、4時間以上の就労は4時間以上働いた日の1日分の給付金が繰り越しされるので、損をすることがありません。